2012年6月26日火曜日

消費増税法案の行方

一昨日、民主造反を『80』と当ブログでは予想したのだが、大手新聞社は『明確な反対を40-50,  棄権、欠席を6-12程度と見ているようだ。総じて50-60程度』としていた。
さて、本日の結果、
ゲンダイ 反対57 棄権欠席19 計76
時事通信社 反対57 棄権欠席16 計73
日刊スポーツ 反対57 棄権欠席15 計72
読売新聞  反対57 棄権欠席16 計73
なぜ違う!(笑)
まあ、結果は私の方が近かった、ということで昨日のブログは削除しなくて済みそうだな。しかし、内閣不信任が本当は見たかったけど。原口さんや小沢鋭さんの棄権には、(半ば予想していたけど)驚いた。

これから参院に法案が送られるけれども、ここで、またもや問題を抱えてしまった。
自民党・岸田国対委員長:「(我々に)協力を要請した民主党から、おわびとしっかりした謝罪があり、造反者に対するけじめをしっかりつけてもらわなければ、とても今後、国会審議には応じられない」
当の小沢親分はまだ離党しないと言っている。執行部は、処分したいが、本当に処分しちゃうと過半数割れを起こすのでなるべく穏便にしたい、というのが本音。しかし、自民党は、処分しろ、と言っている。消費増税をとるか、それともこれからの国会運営をとるか、となる。野田さんはもしかしたら消費増税のみとるかも知れないが、そうなると、もう民主政権(野田政権のみのことではない)は持たないことになる。

はっきり言おう。今回の結果、総選挙になっても民主党も自民党も利するものはない。どう転んでも小沢さんの勝ちである。しかも、離党は視野に入れているが直ちに離党せず、執行部の処分を待つところなど、まさにこのあたりを計算し尽くしている。民主党が小沢派を処分しなければならない状況を作り出して、さらに党内が混乱し分裂するのを待っているかのようだ。

参院での自民党の審議拒否は、たぶん自民党では計算のうちだろう。審議拒否(反対の理由作り。造反議員を民主党は処分しなかったので、審議拒否しました、と言い訳できる)を行い、採決の際反対票を投じれば、野田政権は崩壊する。
また、採決寸前に問責決議を行ってしまえば、その時点で審議は止まってしまう。当然、参院では野党が過半数を占めるので、可決に持って行くには難しいことになる。
もし、自民党が審議に応じたとしても衆院で、きづな+小沢派が不信任を出してしまえば可決した時点で自民党は審議拒否するかも。
さて、このような危機的状況を野田総理はどのように解決するであろうか。野田総理の手腕をじっくり見せてもらうことにしよう。

本日、J-WAVE JAM THE WORLDで『消費税上がると、自殺増えますよ』って言ってたが、それ俺のネタかな…。ネットの拡散ってものすごいな…。権利なんて主張しませんので、拡散希望でよろしく。

2012年6月24日日曜日

消費税反対の票読み

今夜の文化放送で田原総一郎氏が『どんどん増えるよ』って言ってたので、当方も調子づいて票読みを直感的にやってみた。
大手の正当な新聞社は、明確な反対を40-50,  棄権、欠席を6-12程度と見ているようだ。総じて50-60程度であるが、私はご祝儀でそれに20上乗せ。80で予想。小沢氏地崩れ的『勝利』。
当ブログでは、その前に不信任案が…っていう見方もしているけれども。

まあ、明日の午後あたり内閣総辞職、消費増税三党合意撤回、が見られるかも知れないけど。俺がもし総理なら、さんざんネジを巻いた財務官僚を呼びつけて怒鳴りまくってるところだな。おまえのせいでクビになったと。

外れたら、ここの書き込み削除ね(笑)。

2012年6月23日土曜日

小沢グループからの内閣不信任案

やっと、報道で出てきた。このブログでは、効果的な戦術として、小沢グループが採用する可能性がある、としたが、各報道はやっと気づき始めたらしい(笑)。
消費増税をつぶすことが今回目的だが、それはもはや小沢グループではできない。その時点では小沢氏は確実に負けであったが、造反を匂わせ、同調者を募り、その結果54名の造反者を確保する。で、消費増税採決前に前もって不信任案を動議し、可決ともなれば今国会はとりあえずおしまいである。結局何も決められず、党を消滅させる危機を作り出してしまった野田総理のみが悪者に仕立てあげられてしまう。だから、野田総理はすでに『詰み』の状態なのである。『三党合意は画期的』(岡田さん)などと言っている場合ではない。こういった取引は政権をつぶすんだな…。きっと。

前回の不信任騒ぎでは、共産党に欠席されてしまった。今回、小沢さんは共産党に頭を下げに行くに違いない。

組織の中で首相を支えるというのも当たり前である。しかし、首相が『暴走』し止められないとき、抗議し離党する。新しい政党を目指す、ということも大変結構でロマンある話ではないか。また、民主党は次の総選挙はかなり票を減らす運命にある。沈没する船から逃げ出すのは当たり前の話である。
以前、小沢さんは自民党を出て行ったが、そのときは小選挙区制の実施を目前に控え、言わば選挙対策のためと党内抗争の敗北による離党であった。また、鳩山さんの離党も同時期で政策的な離党ではない。今回のような一政策を巡る論点から対立したわけではないので、今回の争点は非常にわかりやすい。

さて、国民の目はどうか。前回選挙の時、民主党マニフェストに『騙され』、投票した人が多い。でも、衆議院の任期は4年である。まだ、できないことが決まったわけではない。あのときのマニフェストが『荒唐無稽』であって国民を欺く結果になったことは、国民が次の総選挙で判断すればよい。逆に任期3年目に『自公』と談合した政治を目の当たりにしたことは、正直、民主ダメ、自民ダメ、公明ダメという印象を強くしてしまった。しかも、その論点はあの消費税である。そんなことやっちゃダメだろ。
少なくとも、国民の過半数は反消費税に世論形成がなされている中で、小沢グループはいま国民の注視をもろ受けている。
確かに、社会的地位、名誉のある人、会社の上層部は消費税の増税に賛成するだろう。石原都知事も、社会保障の費用をどうするか、小沢グループの造反の動きを『私利私欲、我欲、保身だと世間は眺めている。勝手にやれ、という感じだ』、と切り捨てている(6/23産経朝刊)。しかし、子育て真っ最中の世代は、とにかくお金がないのだ。給料も減らされている中、夕飯が1週間のうち4日がカレーであった。子育てが終われば若干増税でもいいけれども、そういった税制は消費税ではとることができない。そこで、現行税制を見直し、消費税導入前の直接税を重視、これにより政府の経済統制(景気の自動調整装置)を強めようという拙論を当ブログで展開させていただいている。だからタイトルも『逆流』なんだな(笑)。

今朝の産経一面には、消費増税反対に向けて奮闘努力する小沢グループ、そして不信任案提出となった場合についての、複雑な思惑(特に自民党)についての記事が載せられていた。当ブログが一週間前に指摘したことがやっと記事にされたということで特に解説しないが、なかなかうまく書けているのではないか。小沢さんが『民自公』と裏取引せず、消費増税反対の目標に純粋に突き進むならば、不信任案提出で勝負をかけてくる可能性は高い、と見ている。また、それが可決する可能性も非常に高い状況である。しかし、自民党が野田さんに信任票を入れるようなことになれば、『民主、自民の合併』くらいのあり得ないインパクトがあるし、その可能性もないわけではないが限りなく低い。
野田さんがこのまま総理大臣をやり民主党が割れずに済む方法が一つだけ残っている。これは、『消費増税』を廃案にすること。小沢氏VS.官邸。どちらに勢いがあるか。私は小沢さんと見ている。民主はそろそろ小沢さんのいうことを聞かないと…。

26日はかなり楽しめそうだ…。

* 時事通信などは『民主、自民、公明3党の修正合意により、消費増税法案の衆院可決は間違いない。』と述べているが、さてどうか。小沢系議員が捨て身で不信任の戦術に打って出る可能性は高い。どうせ活躍しないまま総選挙になれば苦戦が予想されるし、『反増税新党』なら国民の人気を一身に受けることにもつながるからだ。

2012年6月22日金曜日

造反の行方

非常におもしろい状況である。
追い詰められた小沢さんは、手下を集め50人、ほか鳩山グループや中間派からも同士を集めているとか。
民主党を少数野党(過半数割れ)に追い込むためには、54人の同調者が必要とのことで、すでに離党届を書いている同士もいると伝えられている。
政党政治の基本に立ち返れば、『離党』は好ましいことではない。しかし、民主党は『増税』路線を先の総選挙では約束していなかった。野田総理の公約違反は明らかであり、信を問うてから増税すべき話である。

昨日は野田総理は『詰んでいる』とも書いたが、本日多少の動きがあった。増税法案は26日以降の日程で採決されるとか。これは、すでに執行部がまとまらず採決できないことを意味している。もしかして、今国会での採決は見送られるかも知れない。強行採決もできる状況にあるから、遅らせること自体何かがある。

新聞紙上では、野田総理側の『勝利』を伝え、負けた小沢派は『追い出される』運命にあるかのような書き方をしているが、私は全く逆の見方で、今回の勝利者は小沢さんの方だとみた。これから消費税増税を境に一本の法律も成立しないなんていう状況が発生するのである。

2012年6月21日木曜日

造反の票読み

本日、民主党内で『懇親会』なるものが開かれ、また紛糾したそうである。当初、明日(21日)の採決予定だったが、どうもこの日程では採決は無理ってなわけで、22日以降にずれ込む、とのことである。
さて、こいつの造反票であるが、民主党内もあきらめ気味らしい。60票を超えるかも、ということであるが、これで造反処分となると確実に過半数割れとなってしまうそうだ。

この事実をもって、今後の国会運営を予測してみた。
1. 消費増税法案採決をあきらめる。→ 不信任案は否決。
2. 明後日以降、採決して参議院に送られるが、小沢派造反により、民主党分裂。その後の法案審議、採決もたち行かなくなり、参議院で消費増税は廃案。内閣総辞職もしくは衆院解散。
3. 明後日以降、採決しようとするが、しびれを切らした自民党に不信任案を提出される。小沢派の造反により、成立、内閣総辞職もしくは衆院解散。
4. 明後日以降、採決しようとするが、法案に対し死ぬ気で対応している小沢系議員に絶妙なタイミングで不信任案を提出される。野党と小沢派の賛成多数により、内閣総辞職もしくは衆院解散。
5. 明後日以降、採決して参議院に送られるが、小沢派造反により、民主党分裂。参議院で消費増税までは成立するが、その他の法案審議、採決は一切なされず、内閣総辞職もしくは衆院解散。

素人的に考えると、このくらいか。消費増税を通すことは民主党にとって痛手が大きいんだろうな。将棋で言えば、すでに詰んでるじゃあないか。もう政権自体、長くない。自民党もうまくやったな。さすがである。
小沢派の方々には、分裂覚悟でとことんかき混ぜてもらいたい。

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さて、消費税率と自殺率が関連するみたい、と、このブログの冒頭に書いたのだが(2010年8月29日日曜日 『消費税と失業率の奇妙な関連 』)、そもそもこの説はそれよりも1年以上も前に『Just BLOG』上で発表させていただいたものである。昨日調べてたら当時はそんなこというやつはいなかったので、いろいろ調べて書かせていただいたのだが、現在は結構この切り口がずいぶん多くなった。みんな俺の学説パクリやがって、と一瞬思ったが、もっと調べてみたら橋本元総理は気づいてたみたいね。ただ、多くなる傾向はあるものの、立証できる科学的な論文がなく未だに認められていない学説であることは確かである。ま、みんなに認められる学説を披露できるなら、公務員なんてやっちゃあいないけれども…。

2012年6月16日土曜日

消費増税否決の道

消費増税の修正合意が民自公でなされた。これは、ほとんど成立した、といっても良い。たぶん、野田総理はウキウキ、であろう。
拙論は、何度も言うように高校の政治経済程度の知識でかかれている。愚論ではあるが、現行内閣の主導する消費税+所得税+住民税の増税三点セットは、日本経済を凍り付かせる結果となる。大好況下ならまだしも、震災に理由をつけたあまりにも過酷な政策である。第二次ベビーブームを中心とした世代は、結局時代の狭間の犠牲者となったのだろう。

日本国民は『受忍』するのであろうか。受忍するならば、どういう人なのかを知りたい。給料が足りなくて辟易しているのに。

というわけで、小沢氏や鳩山氏にがんばってもらいたかったが、その方向も潰えたようである。このまま採決になったら、否決のためには民主党から190程度の造反者が必要だとされているが、党議拘束違反に対する処分を恐れ、また、解散後の敗北を恐れ、造反は40程度にとどまる、らしい。
しかし、もしかして唯一否決の道があるのならば、こういうシナリオか?というストーリーを描いてみた。ここからは、趣味で想像した世界であるが。
増税反対派は言うまでもなく、鳩山氏、小沢氏を中心としたグループである。これに中間派かつ増税反対派を加えた総人数は130名程度と予測されているが、否決にはほど遠い。
また、今回は通常あり得ない共闘もある。みんなの党、社民党、共産党が反対している。まあ、社民、共産にとっては賛成自体ありえないが。
反対派にとって頼みの綱は、自民党内でどれだけ増税に反対する議員がいるか、ということである。

小沢氏は、消費増税可決後の政界再編を明言している。しかし、『採決前の政界再編』についてもある程度、シミュレーションしているのではないか、とも思われる。もしかしたら…、民主の新人議員は解散となったら民主では勝てない。これは当然である。だから解散を恐れている。しかし、看板が変わったらどうか。ブームに乗ってしまえば勝てる可能性が出てくる。自民の造反者と諸派、民主党内の造反者と示し合わせた上で、消費増税採決時に処分覚悟の反対票を投じたらどうなるか…。このシナリオだと、増税採決の可否にかかわらず政界再編が生じる。で野田総理は解散をして、二度と総理に指名されることはない。民主党も自民党も数が少なくなった上に次回の選挙では双方とも惨敗する予感…。

今回の自民党の動きがすごく不気味。採決直前になって難癖をつけて反対票、というストーリーを構築しているかのよう…。基本的に自民党も増税路線だけれども、『民主の公約を取り下げれば増税は行う必要はない』という路線を走った方がわかりやすいのに。やっぱり、政党間も密室談合だな。

自民党から見れば、二つの策略のジレンマがある。
一つは、このまま自民党がやりたかった消費税増税に賛成しておいて、総選挙後の『政権奪還後』の財政運営を楽にしようとするスケベ心が働いている。
もう一つは、消費増税法案に最終的に『反対』し、早期に衆議院解散に追い込みたい、という『正攻法』。
普通は、後者を選択するだろうが、『合意』とは…。自民党内も民主党内紛劇と似たり寄ったり、の状況かも知れない。
民主党はそもそも『鳩山党』であるが、前回の菅内閣不信任騒ぎの際、鳩山さんは『党は割りたくない』と言っていた。しかし、これも、叶わなかったのではないのか。民主、自民を割りつつ、元国民新党亀井さんやみんなの党渡辺さんも合流するかも。これなら、次期衆議院選挙では勝てる要素がある。そして、自民党はまだしも、民主党は旧社会党と同じ運命をたどることになる…。

まあ、今は生活を無視した空中戦を展開しているようにも見えるが、上記のシナリオを踏んでしまうと、一週間後は国会は大騒ぎ。消費税どころではなくなり、内閣総辞職か、解散か…、という事態に陥る。数で言えば、仮に民主党の半分+自民党の3分の1が反対すれば否決はできるだろう。造反者には新しい『看板』という身分保障も撒いておかなければならない。実は、要素はある。今や無視できなくなった橋下維新は小沢さんと実は仲がいい。この可能性について、同じ学派に属する(と私は勝手に思いこんでいる)しかも愛煙家の森永卓郎氏が、
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<<抜粋>>
「今のまま野田政権が続く限り、“デフレ脱却・株価上昇”シナリオはほぼあり得ない」と分析している。 民主党の中でも半分以上の人は、本心では消費税引き上げには反対だと思われます。
さらには、野田総理が消費増税にあくまでこだわれば、小沢グループが民主党を離れ、橋下徹・大阪市長を中心とする「第三極」グループと手を組み、政権を奪取するというシナリオさえ浮かび上がってきます。
そうすれば、デフレ脱却・株価上昇で日本経済は一気にジャンプアップするとみます。
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と述べている。ただ、橋下維新がこのような経済政策を持っているとは正直思えない…。
しかし、私の敬愛する愛国者石原都知事も橋下さんと仲がいいのだが、小沢さんとは『絶対イヤ』だと言っている。これは、不確定な要素として覚えておかなければならない。

それとも、静かにコトは進み、造反は『小沢スキャンダル』で少なくなった小沢派プラス鳩山さんだけで済み、静かに採決され、民主造反者は除名され新党結成というのが確率的には一番高い。今のところ、雑音は小沢さんの周囲からしか漏れてきていないが、逆に嵐の前の静けさなのかも。いよいよ地上戦開始ってところか。しかしながら、もう一度言う。民主党の半分+自民党の3分の1+維新が消費税採決前もしくは造反後に手を組めば、消費増税は否決され次の選挙では明らかに勝つだろう。既成政党を崩す圧倒的な勝利が予測される。

しかし、民主党も昨年野田総理を選んだときに、第1位の小沢系候補『海江田氏』ではなく第2位に投票する、なんてコトをやってしまってこのざまだ。国会議員でありながら『政策論争』もしないからこうなる。身から出た錆とはまさにこのこと。個人的には、小沢さんではなく馬淵澄夫さんが消費税否決及び政界再編のキーマンになりそうな予感はある…。いや、個人的に期待している。まさに良識と見識に裏付けられた政策をお持ちである。是非、総理をやっていただきたい。

以下、馬淵さんのブログから抜粋。
件の役人が、民主党政権などなくなっても構わない。いや、自民党政権であろうが、第三勢力だろうが関係ない、と笑っている姿が目に浮かぶ。
国会審議では、自民党も議論が分かれるところでもあるようだ。これから、与野党ともに、入り乱れての混乱が予想される。
まさに、ゴングがなったところなのかもしれない。

まぶちすみおの「不易塾」日記
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可決は自民党、公明党の数の力により、なかなか阻止は難しいのだが、民主党が党内調整に手間取った場合、採決は遅れることになる。自民党幹事長が言うように野党側から内閣不信任案が提出される(正直、あの与野党合意書はまったく中身がない。どうにでもできる)。
また、民主反対議員が『内閣不信任案』を提出したらどうなるであろうか。まだそんな報道はされていないし、動きもないのだが、この闘争になると民主反対派からの揺さぶりをもろに自民、公明は受けることになる。自民、公明に加え、民主党内のハードルはぐっと下がって35人*の小沢系議員が同調するだけで可決が視野となる。今となっては上記の馬淵さんと小沢鋭さんも同調する可能性がある。このシミュレーションは、菅内閣のときに小沢さんは行っているはずで、この手法であれば増税したい自民党は苦悩するが常識的に不信任票を入れるしか選択はない。その結果として、自民党は割れずに済むだろう。ただし、自民党が信任票を入れると大誤算となり、消費増税の採決とそんなに変わらなくなる。いずれにしても民主は完全に空中分解するが。民主は菅さんにしろ、野田さんにしろ強権を発揮しすぎた。強権は反発を生み、反発は分裂を生み出す。もしかして…。

* 6/22注 これを書いているとき、いろいろ計算した結果、35という数字になったのだが、現在報道では、全員出席、野党すべて不信任案に賛成、と仮定して54という数字が一般的に流通している。

2012年6月7日木曜日

池森洋介の思い出 : 現ギタリスト&男の色気あるボーカリスト

若い頃、音楽をやっていた。といっても、一人でフォークギターをかき鳴らすスタイルで、大学のサークルでも異色であったことは自分でも認める。軽音楽部に所属していたので、先輩方に『バンドを組んだら…』とか『音楽部にトレードしといたからな。』と常にいじられる対象でもあった。でも、そのスタイルは曲げず貫いたつもりである。
あまり詳しくは書けないが、私は○○大学の法学部の出身である。この大学の文系学部の西日本の出身者は教養課程の一年間だけ、をとある地方都市にあるキャンパスに集め履修、という仕組みがあった。このクラス群は通称L系と呼ばれており、そこに集う学生に配布される学生証は○○学部の所属となっていて実際の所属学部とは異なっていた。なお、普通の大学では教養課程は2年にまたがるが、この大学では夏休み集中講義などを実施し、1年間で終わらせてしまう。
しかし、その変則教養課程も我々の年度をもって終焉を迎えることとなる。実は各学部においては、東日本出身の学生に対してはそれぞれの学部が東京近郊で教養課程を実施しており、それぞれの学部に所属するようなスタイルであったのだが、翌年以降はそれぞれの各学部が西日本の学生についても教養課程を実施することになったからだ。つまり、そのキャンパスに集う西日本の学生たちは比較的『学部間交流』が盛んだったともいえる。
二年以降はそれぞれ本来所属のキャンパスに分かれ、専門課程を履修することになるので、学部が違う友達はそれ以降滅多に会うことはなくなる。まさに単科大学の集合体であり、学部が違えば大学が違うくらいのイメージがある。
ちなみに、その地方都市のキャンパスには短期大学や異なる学部が併設されており、男が多いL系が東京の学部に移行する際、そこに大量の悲恋、別れが発生することが知られていた。特にその地方都市に取り残される女性は、その都市名をとって『○○未亡人』と呼ばれていたが、私にはそういう機会はなかった。無罪。
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軽音時代の同級生に『オザキ』と呼ばれる友人がいた。経済学部である。このブログでは私の氏名や職場、出身大学などはあくまで伏せているが、あえてこの友人の本名を書かせてもらうと、『池森洋介』という。変わり者?の軽音楽部の集まりの中、全体的には洋楽系ハードロックがもてはやされる風潮にあったが、彼と私は何となく和物をやっているという点で音楽性がそれなりに似通っており、また、同様に東海地方の出身かつ一年遅れの浪人組。私より2日ばかり早くこの世に生まれており血液型もA型であった。見てくれとセンスはかなり違うもののどこか似たところがあり私の数少ない(笑)友人の一人であった。で、共にレギュラーの一角を占めていた。私の場合はバンド中心の中、一人で出てきてギター1本の貧弱なスタイルとサウンドを見せられて周りとのギャップで笑いがとれる、また、お慰め、と言うこともあったかも知れないのだが、学業成績が低迷し、音楽を休業するまでなぜか彼とともにすべてのLIVEに出演を果たしていた。
なんと、彼は高校生の頃、『オフコース』もやったことがあるという。私もオフコースはよく歌っていたので、共通の話題があっただけなのであるが、彼の歌は、なかなかうまかった。音楽性の路線もあるので、サークルの中ではうまい、と言われることはなかなかないのだが、発音もきれいであって、細かい節回しやビブラートも駆使していた。いや、敵う者はいなかっただろう。ちなみに『オザキ』、と呼ばれていたのは、尾崎豊が大好きで、『Driving All Night 』『I Love You』『僕が僕であるために』『彼』なんかをよくやっていたからである。本物のオザキを聴いていた人たちは『いやそっくりだ…』とびっくりしてしまう。だから、サークルの中でオザキと言われていたのである。よく分析すれば、発声法は似ているが声自体はちょっと違っている。池森氏は『オザキ』と呼ばれることを嫌っていたし、『似てはいない』と言っていたが、軽薄な周りの連中は彼の気持ちに気づかず『オザキ』と呼び続けた。
しかし、歌に関しては印象に残るぐらいの実力を持った彼のことである。ライブでも相当な実力を見せてくれていた。
圧巻は文化祭での『SHERRY』であった。会場に3人の女子大生が迷い込んできて、当初は『下手だけど聴いてやるか』みたいな態度で、『あははっヒラメ顔のオザキだ!!』なんて抜かしやがっていた。最初は(私もよくこれは体験している。女子という者はよく男を最初は馬鹿にするものである…)こんなだったが、彼の『SHERRY』が始まり中盤以降、その女子大生たちは見る見るうちに顔色を変えてしまう。そして、涙を流し『感動』してしまったのである。挙げ句、歌い終わった後は、ぶつぶつ(聞こえないのに)司会者に文句を言い始める。『どこのクラスの何某という人か、ぐらいは紹介してもらいたい…』と。池森君は見事に小賢しい女子大生を歌で黙らせ、その上に感動というプレゼントをしたのであった。
raindogsという現バンドメンバー内ではオザキ似疑惑が取り沙汰されているそうで、『オザキは学生時代ちょっとやっただけ』、と本人は強く否定しているが、私が知る池森君は『オザキしかやらなかった』のである。

『SHERRY』はさだまさしの『雨やどり』が『原曲』?(D調)であるのだが、私の好んだ初期長渕の乾杯もD調であり、結構似ている。私の軽音楽部デビュー曲は陽水の『傘がない』(三連符)だったのだが、池森バンドのギタリストを借りて16ビートに編曲しなおして披露した際、池森君に大爆笑された覚えがある。まあ、その編曲自体はビートルズの『My Bonnie』にヒントを得ただけのことであり、できあがった『傘がない』はハードロックの『津軽海峡冬景色』みたいなものだった。いい思い出である。
岐阜県上宝村での合宿の際、寝所に指定された急作りのスタジオの2階で夜寝るときに、1階のスタジオから池森氏のシャウトがいつまでも聞こえていたのを今でも覚えている。それでも私はいつの間にか寝てしまったんだが。
あの頃はまだ安房トンネルはなかった。細い道をマイクロ三台で峠越えしたよな…。昔は数時間、今は数分…。たどり着いた山奥のペンションで食べたパンは最高にうまかったし、食堂のテレビで今までのライブをビデオで復習している時、当方のふきのとうのコピーを見ながら、『歌うまい』、『いい声している』と池森氏に褒められたし、『おまえやっぱり一人でやったほうがいい。』とも言われた。
みんなでテニスをやったのも楽しかった(当方実は元高校テニス部。軟式だけど)。

なぜ、私が一人で弾き語りのスタイルだったか、というと長渕の影響だったかも知れないし、ボーカルを生かすためには『余計なもの』を極力排除するしかない、と考えたかも知れない。もしくは、バンドの人間関係、もしくは恋愛関係でごちゃごちゃ、ドロドロになるのを敬遠したかも知れない…。若いときの話なので、なぜ?というのもわからなくなってしまっている。でも、おおかたこんなところだろう。なにか信念があって、一人にこだわっていたんだろう。

専門課程移行直前の昭和63年3月、最後の『お別れLIVE』だけは、岐阜出身のKM氏を中心としたバンドを組みチューリップの『心の旅』をやろうとした。しかし、本来の枠で5分もらえるところを3分に削られてしまい、その処分を不服として最後の出場機会を『ボイコット』したので、みんなに別れも告げられなかったことが残念である。確か、お別れLIVEのために作られたバンドは特別枠になるルールだったのだが、私の場合は、もともと一人でやっていたのでバンドになろうがならまいが5分もらえなきゃおかしいだろ、と主張した。『心の旅』は3分じゃできないし。せっかく姫野さんの真似をしようと思ったのに。

今さら私の歌は滅多に使うことはない。そのつもりもまったくない。私の音楽は今考えると、実は『手紙』であって結婚を境にして、『手紙を書く』必要はなくなったのであった…とも言える。その反面、池森氏のCDを聴き、また『アコギでRock!』という彼の信条を見ると、音楽の方向性は違うにしろ、私がこだわっていたアコギ1本のスタイルは私から彼に引き継がれた…っていうことは、いや、たぶんそれはない…(笑)。紆余曲折の中、彼が当時の私のスタイルと似たものになったのだろう。しかし、成長した彼にとっては私のスタイルの真似などということも決してない。音楽性という意味では私のはメロディアスを指向する『和製ニューミュージック』であり、彼のは『Rock』そのものであるから。私の歌は東京から引き揚げるときに消滅してしまったが、反面、彼は破れてしまった夢を一身に背負い、一定の境地に到達したということができる。

ちなみに、私はアコギとはあまり言わなかった。生活の中から発生するフォークなんだからあくまでフォークギターと言っていたが、バイトした金で買ったタカミネPT-112STはアコースティックギターだったのかな。エレアコだけど。あれは池森氏もライブの際使用した。未だに私の手許にある。よくあんな弾きにくいのを使えたもんだ(笑)。

なぜ、彼の思い出話をしたのか、というと、あれから25年もの月日が経過し、プロとしての活動をしているのを発見したからである。CDも出しているので是非聴いてやっていただきたい。YouTubeでも『池森洋介』で検索すれば聴くことができる。
ホームページ : http://www31.ocn.ne.jp/~raindogs/main.html
CD : 『Over』たとえばHMV

基本的にロックなんだが、軽快なストロークが特徴。昔からの彼の癖も一応ところどころにあるが(笑)。ちなみに私のストロークは『叩いて掻く』スタイル。彼のは本当『軽快に回る』。細かいビートに刻まれる力強いカッティングが特徴である。正直、アコースティックギター弾きでここまでやる人は聴いたことがない。エレキで多用する技をアコースティックギターに適用すること自体、ギターを知り尽くしギターと一体化しなければできないだろう。正直普通ではない、希有なサウンドである。ちなみに私もアコギでメタルに2-3度挑戦したことがあるが、何とも間延びしてしまうし、弦が堅いので実際やりにくい。池森氏のロックは確かに各方面で評されるとおり若干雑な印象を受けるが、カッティングの多用で引き締まり、音全体をうまくコントロールしている。
25年の歳月を経て、彼のテクニックは重厚さを増した。で、強いて言えばビートの一発目の前裏でリズムを崩す(休んでしまう)危険があるようだ。そこが彼の、雑だという評価につながっているが、危険な香りは男の色気でもある。それに加えシャウトをしまくりボーカルはヘヴィ…で不安定でスリルに輪をかける。ここが池森洋介の色気と魅力につながっている。

欲を言えば、昔のフォークみたいに8ビートでリズムを刻む、メロディアスで聴かせる歌謡曲っぽい歌を作ってもらいたいものだ。彼のボーカルは案外聴かせる曲にも絶対に合うと思う。静寂の中に響きわたり染みるような彼のボーカルをもう一度聴きたい。そう、『SHERRY』のような…。
できれば歳相応の男の演歌!!!っ。それなら、私でも歌える(笑)。

昭和62年(1987年)4月、最初に出会ったときは8号館のベランダだった。私のギターを奪い取って突然歌い始めた、『僕が僕であるために』。実に衝撃的な出会いであった…。
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以上、宣伝広告でした。池森君ごめん。評論してしまった…。

2012年6月3日日曜日

消費増税で景気は良くなるか?

久しぶりの経済ネタである。
本日の産経7面オピニオン欄に産経編集委員の方の説が載せられていた。
『国家の屋台骨 中間層を破壊』とあった。
野田総理の『社会保障の将来像の不安を減じ、その結果消費が喚起され、経済が活性化する可能性がある』という持論を『日本破滅のシナリオ』と激しく断じている。
97年に消費増税が行われた結果、物価の下落率以上にGDPの下落率は顕著とし、これを日本型のデフレと定義している。さらにこの減少の意味することは、生産の縮小が行われており、勤労者世帯の収入の減少をもたらしている、としている。
ただし、国全体の家計消費は3.1%、消費者物価下落率は3.3%であり、それほど顕著ではない。消費増税によりその利益を享受している者がいるはずだ。これを、『富裕層』と『年金世代』とし、勤労者は月5万円、13.7%もの消費の切り詰めを行った、としている。
解決のためには、恵まれた高齢者層の負担増と、中間層の負担減を行い、また、『自助自立型の社会保障制度と税』の抜本改革が必要だと主張している。


確かに、働く割には10年前よりも生活が苦しくなっている、と実感する。給料の額面が増えていないのである。その割には健康保険の負担割合も増えたし、社会保険+年金の負担も4~5倍になっているような…。しかも、給与を市長の票取り目的条例で減らされた。とっくに受忍の範囲を超えている。

以前、消費増税により日本は縮小再生産へとさらに向かい、失業率と自殺率の増加が見込まれる、という拙論を披露させていただいたが、その中で、これを科学的に証明して欲しい、とも書いた。あくまで、産経の論説の方は、97年からの現象をもとにこの疑問に"間接的"に答えてくれている。実践経済学とも言おうか。あとは、ビルトインスタビライザーと公共投資の側面から書いていただける方を募集している。何せ、私は高校の政治・経済の知識のみでこれを書いているので、理論的な裏付けが不足しているのである。

しかし、一部の報道では自民党も消費増税で賛成の意向を示しているとか。民主も自民も次の選挙では勝てないな。当たって砕けてしまう予感…。

この時期に増税(しかも積極統制できない消費増税)など経済もわからぬ人間が日本の舵取りをしている、としか思えない。